剱岳(早月尾根に挑む)①
2019年 9月 6日、晴れ後ガス一時雨
2019年 9月 7日、晴れ
朝、早月川に架かる伊折橋から、周りの山とは明らかに違う山容の剱岳が不気味とも思える姿を現した。
一年前の夏。
甲斐駒ケ岳・黒戸尾根でのこと・・・。
「も~ここには二度と来ねぇ~ぞっ!」
「剱のアプローチは別山尾根にする。早月尾根は止める!」
黒戸尾根でヘトヘトになりながらそう思った。
それがっ!
今、この場に立っている。
剱岳(早月尾根ルート)の登山口「馬場島」である。
「難攻不落」、「岩と雪の殿堂」、「試練と憧れ」。
この山ほどいろいろと形容される山もなく、険しく厳しい山であることを物語っております。
でも、だからこそ「憧れ」であることも確か。
「やっぱ早月尾根から登ってこそ剱岳。」
「真正面からこのルートに挑んで登りたい。」
黒戸尾根で思った考えが変わるまで、そう時間は必要ではなく、例え別山尾根から登ったとしても、罪悪感に襲われそうな気がした。
そして、憧れていた山に登れるワクワク感と、これから必ず訪れる試練に対する不安感が入りまじり、登山口に立った。
約45分ほど登ると「松尾平」の休憩ポイント。
チト早いと思いましたが、最初の休憩。
ここ「松尾平」は急登が続く早月尾根で唯一の平坦地。
思う存分ここで楽してください。
それと、これは後から聞いた話ですが、ここは熊さんの出没ポイントなんだそうです。
「それっ、早く言ってよ~」
松尾平を過ぎると、よく写真で見る杉の巨木が次々と現れます。
標高1000mの松尾平以降、200m標高を上げる事に標高表示があります。
たまに視界が開けます。
富山市街、富山湾、その向こうに能登半島。
何山でしょうか?
標高1600m地点。
1400m地点は4~5名のグループが休憩していたため、写真が撮れませんでした。
標高1800m地点。
このルート、どこの山にでもある急登ですが、ただ違う点は一息つく暇もなく急登が延々と続きます。
精神力が試されているかのようです。
「まさしく試練!」
1920m三角点。
小窓尾根が見えます。
剱岳に近づいてきていることを実感し、励みになりました。
標高2000m地点。
「まだ1kmもあるのっ!?」
この辺りまでくると、一瞬ですが平坦地が出てきます。
小さな池。
水がキレイだったら顔でも洗いたいですが、その気にはなれない池でした。
はしご・クサリ場が出てきました。
早月小屋は近いはずです。
早月小屋のヘリポート到着!。
そして、早月小屋。
ついさっきまで晴れていたはずが、いつの間にかガスってました。
さっそくテン泊の受付して別荘完成。
雨が少し降りましたが、晴れてきました。
目の前に「小窓尾根」。
そして、剱岳本峰が確認できました。
絶望的な高さに感じ、明日も試練が続きそうです。
でも、憧れの頂上に立てると思うと、ワクワク感が勝っていました。
剱岳(早月尾根に挑む)②へ続く