悲運のエース

今年も夏の甲子園を目指した熱い戦いが、今週末より始まろうとしています。
ただし、うちの次男は高校野球現役最後の大会を、たぶんマウンドに上がることなく終えることになると思います。

 理由は病気だからです。


この事で、今回の組み合わせ抽選後大きな反響があり、先週一週間だけで朝○新聞と○刊スポーツの新聞2社より次男に対し取材の申し込みがあり、取材を受けました。

朝○新聞に関しては、『悲運のエース』という題材で掲載するそうで、私も取材を受けました。


全ては今年の2月初旬から始まりました。
次男は体調不良で数日間学校を休んでおり、時節柄インフルエンザやノロウィルス等の感染症が疑われましたが、いずれも陰性。
結果的には病院を4つも替えましたが、原因不明のまま、時と共に体調は一時回復しました。


その後、2度目の入院をした時のことです。
実に発症してから4カ月間を要して病名がわかりました。

 厚労省指定の特定疾患、いわゆる難病という厳しい現実でした。

治療法もないので現状完治は難しく、今後ずっと病気と付き合って行かなくてはなりません。

そして、2度目の病院生活から退院できたのが、すでに夏の大会組み合わせ抽選日の1週間前。
無駄な抵抗とはわかっていましたが、次男は『運動はダメ』という病院の先生を自ら説得し、ウォーキングと軽いキャッチボールだけという条件で、野球復帰の許可をもらいました。


同じチームの父兄の中には、「監督は今大会のラスト1イニングはうちの次男を登板させるのではないか?」という人がおります。

私はそれはないと思いますが、それより何より3年間一緒に苦楽を共にしてきた仲間と、グラウンドで引退させたいと願うばかりです。