八ヶ岳(横岳)、杣添尾根より
2021年 5月 3日(月)、晴れ
早朝5時30分、海ノ口自然郷 横岳登山口駐車場に到着。
私が到着した時点で駐車場には他に3台の車が止まっていました。
先行者最低3名。
車内の外気温度計はマイナス5度、そして薄っすらと雪が積もっていた。
駐車場より約50m離れた所に登山口があります。
それにしても早朝から風が強い。
前日に結構な雪が降ったようで、山の上はかなりの積雪量と強風が予想できます。
そんな中スタート。
まずは別荘地内を縫うように歩道を歩きます。
歩き出してすぐ、車道を横切ろうとすると!
いきなり私に向かって!
「ワン・ワン・ワン!」
女性が『名犬ラッシー』(←知っている人はそれなりの歳)みたいな犬を散歩させていました。
人気のない早朝、私がいきなり林の中から現れたので、犬もビックリしたのでしょう。
女性は「おはようございます」って挨拶をしてくれました。
それにしてもここは別荘地、人も犬も品がある・・・。
視界が開け、横岳から硫黄岳が見渡せました。
かなり下の方まで積雪はありそうです。
歩き出して20分程で『東屋』到着。
ここがホントの登山口なのでしょうか?
『東屋』からすぐの所に『沢の木橋』。
こんな橋でもちゃんと名前が付いているんですね!。
『沢の木橋』を渡ると本格的な登山道となります。
標高に比例して雪の量が多くなりました。
『中間点』標識。
ここまでアイゼンを付けずに登ってきましたが、滑り止めなしではもう限界です。
ここでアイゼンを付けました。
標高2500m付近までくると、先行者の踏み跡に助けられながら膝下くらいのラッセル状態。
それに加え森の中だというのに強風が私の体を打ちつけとても寒い。
この頃、私を追い抜いて行った人の話だと、『赤岳付近で低体温症で動けなくなっている人がいるらしい』との事。
私の頭を『撤退』の二文字がよぎります。
『横岳展望台』に到着。
この辺りまでくると、回りの木々も低くなり、地吹雪状態でした。
『横岳展望台』からの展望です。
正面に横岳。
赤岳までの稜線。
赤岳アップ。
富士山。
あと250mだけ標高を上げれば稜線ですが・・・。
一向に風は治まりません。
稜線上はこれ以上の暴風でしょう!
体力的にはまだまだ問題ありませんでしたが、この先森林限界となり、風で体温を奪われることを考えると、これ以上登る勇気は私にはありません。
残念ながら、ここで撤退を決めました。
今日は赤岳の迫力ある雄姿や南アルプス、それに富士山を見れただけでも満足です。
下山途中、けたたましいヘリコプターの音が聞こえました。
「こんな風でも飛べるんだ!」って関心しておりましたが・・・。
帰宅後、報道で赤岳で遭難した方がお亡くなりになったことを知りました。
心よりご冥福をお祈りいたします。